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雑記⑤ 整えるということ

2021.7.27
つぶやき

zapatos手入れ.jpg

 

 

練習用のシューズもだいぶ傷んできた。 

一昨年の冬に修理に出したのだが、またメンテナンスに出さないとならない。

道具を整えるとか、自分自身のメンテナンスをする大切さを思うとき、

必ず一つの出来事が思い出される。

 

以前、ある本番を迎えようとしていたとき、季節は冬だった。

それもあって、私の唇はカサカサだった。そして、先輩から小声で耳打ちをするように

「ちゃんとお手入れしなきゃダメでしょ。」と言われた。

 

当時の私は、なりふり構わずに練習に打ち込むことこそが、正しいと解釈していて、

カサカサの唇も一つの成果ぐらいに思っていた。ただ、そのくせして先輩から言われたときは

とても恥ずかしい気分になった。

 

あれから数年経って、やっと先輩の言葉を本当に理解できるときが来た。

踊りを習っている以上は、発表会などの舞台が想定される。

それに備えて日頃から自分の手入れを怠っていない人と、

その日だけ頑張ってくる人の差が、はっきりわかるようになった。

 

アイラインなどがよい例だが、その日だけ一生懸命引こうと思ってもダメで、

とって付けたような印象になってしまう。

衣装も同じことで、普段着がカッコよく着れない人が、衣装だけ格好良く着られるはずがない。

子供の頃に、「馬子にも衣裳ね~」なんて言われたのは、当然褒め言葉ではないのだ。

 

以前、レッスンの際にみんなに訊ねた。「今日、踊るために何をしてきましたか?」 

それを持っているか持っていないかだけで、とても変わるのだ。

 

「部屋を片付けてからレッスンに来ました」でもいいし、

「ウエストが太り過ぎないように気を付けてきました」でもいい。

そこに来るために、何かを整えて来る必要がある。 

こういうことを言うと、うるさいオバサンと思われたり、年上の生徒さんからは小生意気な

ことを言うな、と思われるかもしれないが、本当に大切なこと。

 

そして、後になってわかるのは、自分にとって不都合な事実を教えてくれることが、

本当に大切なことなのだ。

 

 

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